ビルドに関するその他の情報
GIMPのWindows向けのビルドに関するその他の情報についてまとめます。
なお、以下の情報は、2015年6月時点のものです。
MinGWについて
本ウェブサイトで解説しているGIMPのWindows向けのビルド手順では、MinGW の 2012年4月26日版 を使用しています。
もっと新しいバージョンも配布されているのですが、不具合があるため実用には耐えられません。
最近のMinGWに含まれている実行ファイルは、実行時にEドライブ参照します。
そのため、Eドライブが存在しないPCでは、いちいちエラーダイアログが表示されます。
SUBSTコマンドでEドライブを割り当てたり、バイナリパッチを当てる方法もあるようです。
しかし、配布されている状態で動作しないものを使う気にはなれません。
また、MinGWは現在ほとんどメンテナンスされていないためEドライブの不具合が改善される見通しもありません。
そのため、古いバージョンを使うことにしています。
64ビット版のビルドについて
MinGWでは、64ビットの実行ファイルを生成することはできません。
64ビット版の実行ファイルを生成するには、MinGW-w64を使う必要があります。
MinGW-w64はMinGWとは別のプロジェクトとして開発が進められており、こちらは現在もメンテナンスが続けられています。
MinGWはLinux上で動作させた方が速い
すでに説明したように、MinGWは "Minimalist GNU for Windows" の略であり、GNUの開発ツールのWindowsへの移植です。
そのMinGWが、実はLinux上でも動きます、それもWindows上よりも高速で。
つまり、クロスコンパイルが可能だということです。
Linux上のMinGWで、なんとWindows用の実行ファイルを生成できるのです。
Linux系のOSがインストールされたPCを持っているなら、そこにMinGWを入れてGIMPをビルドする方が短い時間でビルドできるでしょう。
Windows環境しか持っていない場合でも、Windows上にVMWare Player等をインストールし、仮想マシンでとしてLinuxを入れるという手もあります。
驚くべきことに、仮想マシン上のLinux機でビルドする方が速いです。
まとめ
64ビット版をビルドするならMinGW-w64が必要です。
Linux系OS上でビルドする方がはるかに高速です。